肌にいいって聞いたから使ってる」

「高かったし、もったいなくて週1だけ…」

「日焼け止めは夏だけ」

こうしたスキンケアの“なんとなく習慣”では、肌の改善や保護は期待できません。

男性の肌は皮脂が多く、水分が少ないという特徴があるため、「守るケア」も「攻めるケア」もどちらも重要です。

今回は、美容マスク(パック)と紫外線対策(日焼け止め)を、目的や肌質別に深堀りしていきます。

美容マスク(フェイスパック)は「攻めの集中ケア」

1. 美容マスクってなにをするもの?

美容マスクは、美容成分を肌にじっくり浸透させる“集中投下型ケア”です。

化粧水や美容液よりも含有量が多く、一定時間密閉することで浸透力を高める特徴があります。

2. 美容マスクの主な効果と種類

マスクの種類目的含まれる成分向いている人
保湿タイプ水分補給ヒアルロン酸、セラミド乾燥肌・インナードライ
毛穴ケアタイプ皮脂抑制・引き締めビタミンC誘導体、アーチチョーク葉エキスオイリー肌・テカリ
エイジングケアハリ・シワ・たるみレチノール、ナイアシンアミド加齢による悩みがある人
整肌タイプ炎症・赤み抑えツボクサ、アラントイン髭剃りダメージ・敏感肌
オールインワンタイプ手軽に総合ケア複数成分配合スキンケア初心者

. 男性に多いマスクのNG例

  • 長時間つけすぎ(→逆に乾燥を招く:5〜15分が適切)
  • 使うタイミングがバラバラ(→週2〜3回の定期的な使用を)
  • 洗顔前に使う(→清潔な肌に使うのが原則)

おすすめの使い方(夜が効果的)

  • 洗顔→化粧水→マスク→美容液(必要なら)→乳液の順番を守ることで、美容成分の通り道(角層)が整います。
  • 乾燥が気になる日、髭剃りダメージが強い日にピンポイント投入でもOK。

なぜ効く?:高濃度成分+密閉効果

美容マスクは肌表面に密着することで成分の浸透力を一時的に高める「ラップ効果」を発揮します。

特に以下の論文や実験で効果が報告されています:
(参考:皮膚科学研究誌「Journal of Cosmetic Dermatology」2021)

  • ヒアルロン酸マスクで水分量が+36%(3日間継続使用)
  • コラーゲンマスクで弾力指標が10%以上改善(週2回使用で)

美容マスクを“夜ケア”に取り入れる

  • おすすめタイミング 週2〜3回、洗顔後に使用
  • 目的別に選ぶ:
    • 鎮静(アロエ・CICA):日焼け後やヒゲ剃り後に
    • 保湿(ヒアルロン酸):乾燥が気になる時に
    • エイジングケア(レチノール):たるみや小ジワに

紫外線が肌に与える“科学的な”悪影響とは?

紫外線(UV)は肌の老化の約8割の原因とされ、「光老化(photoaging)」という言葉もあります。

▶ 主な紫外線の種類と作用

種類特徴肌への影響
UV-A長波長・曇りでも届く真皮まで到達 → コラーゲンを破壊 → たるみ・しわ
UV-B中波長・日焼けの主原因表皮を刺激 → 炎症・メラニン生成 → シミ・そばかす

◆ 紫外線が肌に与える“5つのダメージ”とは?

  1. シミ・そばかすの原因(UV-B)
  2. シワ・たるみの原因(UV-A)
  3. バリア機能の低下 → 肌の乾燥・荒れの原因に
  4. 慢性炎症 → 赤み・ヒリつき・免疫低下
  5. “老け見え”の加速 → 年齢以上に老けて見られる要因に

◆ 理想的な日焼け止めの使い方

SPF・PAについて

日焼け止めを見ていると”SPF・PA”という表記を目にします。これは日焼け止めの紫外線防止効果を示す指標です。それぞれ意味が異なります:

SPFとは?

▶ 正式名:Sun Protection Factor(サン・プロテクション・ファクター)

  • 対象:UV-B(短波長紫外線)
    • 肌を赤くしたり、水ぶくれのような“日焼け(サンバーン)”を引き起こす紫外線
  • 数値の意味:日焼けが始まるまでの時間をどれだけ延ばせるか
    • 例)SPF30なら「日焼けするまでの時間を約30倍に延ばせる」
    • 普通の肌が20分で日焼けする場合 → SPF30では「20分 × 30=約10時間耐えられる」

▶ 注意点

  • SPFは高いほど効果持続時間が長いが、肌負担も強くなる場合がある
  • 日常生活:SPF20〜30で十分
  • 屋外・レジャー:SPF50+が推奨

✅ PAとは?

▶ 正式名:Protection Grade of UVA(プロテクション・グレード・オブ・UVA)

  • 対象:UV-A(長波長紫外線)
    • 肌の奥の真皮層まで届き、コラーゲンやエラスチンを破壊
      → シワ・たるみ・“老化の加速”を引き起こす
  • +の数で防止効果の高さを表す

PA表示


PA+    ある程度防御。短時間の外出や日常生活
PA++    一定の防御力。通勤や日中の活動
PA+++ 高い防御力。屋外活動やドライブなど
PA++++ 非常に高い防御力。炎天下・海・山など強い紫外線環境

  • SPF・PAの選び方:
    • 通勤・日常生活:SPF20〜30/PA++
    • 屋外・スポーツ:SPF50+/PA+++
  • 塗るタイミング: 朝の洗顔 → 保湿 → 日焼け止めが基本
  • 塗り直しの目安: 4時間おきが理想(汗や皮脂で落ちるため)

◆ 「うっかり日焼け」した時の正しい対処法

  1. すぐに冷やす(5〜10分)
  2. 水分補給(内外から)
  3. 刺激の強い成分(ビタミンC・レチノールなど)は避ける
  4. 夜は鎮静ケア+保湿重視のスキンケアを


夏以外も日焼け止めが必要

紫外線は「365日」降り注いでいる

  • 晴れた夏の日が最も紫外線が強いのは事実ですが、春・秋でも70~90%程度の紫外線量があります。
  • 曇りの日でも紫外線の6割以上が地表に届いており、冬もゼロではありません

UV-A波(生活紫外線)は年中安定して多い

  • 紫外線には「UV-A」「UV-B」がありますが、特にUV-Aは窓ガラスも透過して肌の奥(真皮)に届くのが特徴。
  • このUV-Aはシワやたるみの原因になる「光老化」の元凶であり、季節や天候に関係なく降り注いでいます

肌老化の8割は紫外線が原因(光老化)

年齢による老化よりも、「紫外線による蓄積ダメージ」の方が肌の変化に大きな影響を与えているという研究結果もあります。


季節ごとの日焼け止めの使い方

特徴おすすめの使い方
春・夏紫外線が強く、UV-Bも多いSPF50・PA++++を使用。汗で流れやすいためこまめな塗り直しが重要
秋・冬UV-Aは継続、UV-Bはやや減少SPF30前後でもOK。保湿効果付きの日焼け止めが◎
室内・在宅UV-Aは窓から侵入軽めのノンケミカル日焼け止めなどでベース保護

男性でも「毎日塗る習慣」を

目元・頬・鼻の頭など光を受けやすい場所は特に重点的に塗るように心がけましょう。
「外に出ないから大丈夫」ではなく、朝のスキンケアの一環として“毎日”日焼け止めを塗る習慣が将来の肌に差をつけます

男性こそ「紫外線対策=清潔感対策」

  • 紫外線は毛穴の開き・くすみ・テカリにも関係
  • 「ヒゲ剃り後の無防備な肌」ほど紫外線ダメージを受けやすい
  • 紫外線を防ぐ=“肌印象の底上げ”になる

■ まとめ

紫外線対策と美容マスク、どちらも「面倒」「女性っぽい」と感じて避けている男性も多いですが、実は“最も手軽で効果的なスキンケア習慣”です。

焼かない=老けない! 毎日のケアこそが、肌の清潔感と若々しさを守るカギです。

日焼け止めは“未来の肌への投資”・美容マスクは“短期集中のケア”として、シーンに応じて取り入れましょう。

男性におすすめの取り入れ方
  • パックは毎日使わなくてOK。週1〜2回で十分。
  • 髭剃り後の肌がヒリつく場合 → 鎮静系マスクが◎
  • 「ながらケア」で取り入れる(入浴後に装着→歯磨きやTV中など)
  • 日焼け止めは“朝のルーティン”として固定化しよう
  • 日焼け後 → 冷蔵庫で冷やした保湿マスク+ビタミンC系美容液の合わせ技

▶ 次回予告

次回【第8回】では「老け見えの元凶?“目元”を制する者が、清潔感を制す」をテーマに、クマ・たるみ・小じわなど40代男性の印象を左右する“目もと”の正しいケア方法を詳しく解説していきます。お楽しみに!