化粧水・美容液・乳液……外側からのケアも大切ですが、それだけでは肌の根本改善は難しいのが現実。
肌のハリや透明感、バリア機能など“肌本来の力”を育てるには、内側からのケア=インナーケアが欠かせません。
この記事では、
- 肌を「育てる」とはどういうことか?
- 睡眠・栄養・腸内環境の重要性
- 肌に届く栄養/届かない栄養
- 朝・夜の食べ方の違い
- 男性にも必要な「生活習慣の見直し」 などをわかりやすく解説します。
肌を「育てる」とは?
スキンケアで補うのではなく、自ら潤う・守れる肌をつくること。
「肌がもともと持っている自己再生力・バリア機能・水分保持力を高めていくこと」。
表面的な“塗ってごまかす”ケアから、“肌の中から整える”アプローチへとシフトすることが、いま注目されています。
- ターンオーバーを整える
- セラミドや天然保湿因子(NMF)を自分で作れる肌に
- 酸化・糖化から守る力をつける
そのためには、肌の土台(角層・真皮・血流・ホルモン)を支える生活全体の見直しが必要です。
上の3つについてもう少し深堀りしてみましょう。
ターンオーバーを整える
■ ターンオーバーとは
皮膚の一番外側「表皮」の細胞が約28日周期(年齢とともに長くなる)で生まれ変わる仕組みです。
・基底層で新しい細胞が作られ
・角質層まで押し上げられて
・やがて垢となって剥がれ落ちます。
■ 乱れる原因
- 加齢、睡眠不足、ストレス、過度な洗顔や摩擦、乾燥、紫外線ダメージ
- 乱れると…・乾燥・ゴワつき・くすみ・ニキビ・肌荒れなどトラブルの温床に

■ 整える方法
- 十分な睡眠とバランスの良い食事(タンパク質、ビタミンA、C、E、亜鉛など)
- 適切な保湿:乾燥はターンオーバーの乱れに直結
- 過度なピーリングや洗顔は避ける
- 紫外線対策(UVカット)
セラミドやNMF(天然保湿因子)を自分で作れる肌に
■ セラミドとは
角質層細胞の「すき間」を満たす脂質で、肌のバリア機能の要。
水分蒸発を防ぎ、外部刺激から肌を守ります。
■ NMF(Natural Moisturizing Factor/天然保湿因子)とは
角質細胞内部に多く含まれるアミノ酸や乳酸塩などで、水分を保持する力。
■ 自分の肌で“作れる”ようにするには?
- ターンオーバーを整えること →健康な細胞サイクルこそ、セラミドやNMFの産生力の基盤
- 過剰な洗浄・アルコール・強いクレンジングを避ける →必要な皮脂や保湿因子を奪わない
- 保湿を徹底(セラミド配合・アミノ酸配合) →外から補いながら、肌の産生力も維持
- 肌をこすらない・摩擦レス
- 十分な栄養(タンパク質・ビタミンB群・必須脂肪酸)
酸化・糖化から守る力をつける
■ 酸化とは
- 紫外線やストレス、喫煙などで発生する「活性酸素」が肌細胞を傷つける現象
- コラーゲン分解やシミ、シワの原因
■ 糖化とは
- 余分な糖が体内のタンパク質と結合し、「AGEs(糖化最終生成物)」を生み出す現象
- 肌の黄ぐすみやハリ低下の原因
■ 守るための習慣
- 抗酸化成分の摂取 → ビタミンC、E、ポリフェノール、カロテノイド(トマト・緑黄色野菜)、イソフラボン等
- 紫外線対策 → 日焼け止め・帽子・サングラス
- 規則正しい生活・ストレスコントロール
- 過剰な糖分摂取を控える
- 適度な運動・十分な睡眠
睡眠と肌の深い関係
- 成長ホルモンは睡眠中(特に入眠後3時間)に分泌され、肌細胞の修復・再生を担う
- 寝不足=肌荒れ・くすみの原因
- 深夜0時を超えると皮脂バランスが崩れやすい
睡眠の質を上げるポイント:
- 就寝1時間前はスマホ・PCを避ける
- 入浴は寝る90分前、40度のお湯で15分
- 寝る直前はカフェインや糖質を控える

“肌に届く栄養”と“届きにくい栄養”の違い
皮膚は生命維持に直結しないため、体内での栄養配分は後回し。 → 「食べたらすぐ肌に効く」わけではない!
届きやすい栄養素(血行が良ければ届く)
- ビタミンC:コラーゲン合成に必須、抗酸化力あり
- タンパク質(アミノ酸):肌の構成材料
- 鉄分:血行促進、くすみ予防
届きにくい栄養素:
- 食物繊維:直接肌には作用しないが、腸内環境を通じて肌に影響
- 糖質・脂質の過剰摂取:肌の糖化や皮脂バランス崩壊につながる
肌に良い具体的な食べ物リスト
栄養素 | 働き | 含まれる食品 |
---|---|---|
ビタミンC | 抗酸化・美白・コラーゲン生成 | 赤ピーマン、ブロッコリー、キウイ、柑橘類 |
ビタミンA | 皮膚粘膜の保護 | にんじん、ほうれん草、卵黄、レバー |
ビタミンE | 血行促進・抗酸化 | アーモンド、かぼちゃ、うなぎ |
セラミド | 保湿・バリア強化 | こんにゃく芋、大豆、米ぬか |
タンパク質 | 肌の材料 | 鶏むね肉、豆腐、卵、鮭 |
亜鉛 | ターンオーバー促進 | 牡蠣、牛肉、ナッツ類 |
鉄分 | 血色感・貧血予防 | レバー、赤身肉、ひじき |
朝と夜の食べ方のコツ
▶ 朝:
- ビタミンC+タンパク質を意識
- 例:卵+キウイ+ヨーグルト
- 腸のリズムを整えることで栄養吸収効率UP

▶ 夜:
- 修復に必要なアミノ酸・ビタミンB群を
- 例:豆腐・鮭・ブロッコリーなど消化に優しく良質なたんぱく質中心
- 寝る2〜3時間前には食事を済ませるのが理想

腸内環境と肌の密接な関係
腸が乱れると…
- ビタミン・ミネラル吸収率ダウン
- 老廃物が排出されず、肌に影響
腸活=美肌活とも言われるほど重要。
- 食物繊維(ごぼう・大根・きのこ)
- 発酵食品(味噌・納豆・キムチ・ヨーグルト)
- 水分1.5〜2L/日を目安に
男性も“肌づくり”は可能!
男性の肌は皮脂が多く、水分が少ない傾向に。
- 内側からの水分保持力を高めることが重要
- 食生活と睡眠を見直すだけでも数週間で実感が変わる
スキンケアの効果を“底上げ”するためにも、生活習慣の見直しは不可欠です。
まとめ:肌の土台=生活リズムの土台
- 良質な睡眠 → ターンオーバー整う
- バランスの良い食事 → 肌細胞の材料が補給される
- 腸内環境 → 栄養吸収&老廃物排出のカギ
スキンケアで「整える」+生活で「育てる」。これを意識してスキンケアライフをより充実させていきたいと思います。
次回は
”美容マスクと日焼け対策”というテーマで考えています。