「昔より肌が疲れて見える」「乾燥やシワが増えてきた気がする…」

それ、肌年齢の“加速老化”が始まっているサインかもしれません。

今回は、加齢によって男性の肌がどう変化するのか? そして、どう対策すれば肌年齢をキープできるのか?を分かりやすく解説します。

肌年齢が落ちるってどういうこと?

肌年齢とは「見た目の若さ」だけでなく、肌の生まれ変わる力(ターンオーバー)や水分保持力などの“内側の状態”を総合的に示す概念です。

加齢とともにこの機能が低下すると、見た目にも影響が出てきます。


男性の肌、加齢で何が起きるのか?

1. ターンオーバーの遅れ(再生力の低下)

  • 10〜20代:およそ28日周期で肌が再生
  • 40代:35〜45日
  • 50代:45〜55日
  • 60代:60日以上になることも

古い角質が肌表面にとどまることで、「くすみ・ごわつき・シミの定着」が進みます。

《グラフ:加齢によるターンオーバー日数の変化》下のグラフは20代の女性を1.0とした相対的な目安値です。

※日数や数値は、皮膚科学の専門書・大手化粧品会社の公開データなどを参考にした「目安」です。


2. 皮脂と水分のバランスが崩れる

男性はもともと皮脂分泌が多め。でも水分量(角層水分量)は女性より少なめ or 同等。

年齢を重ねると…

  • 皮脂分泌は徐々に低下
  • 水分保持力はさらに下がる
  • 「ベタつくのにカサつく」インナードライ状態に

《グラフ:皮脂分泌量・水分量の男女差&年齢変化》

※日数や数値は、皮膚科学の専門書・大手化粧品会社の公開データなどを参考にした「目安」です。


3. 真皮の“支え”が弱くなる

肌のハリや弾力を保つのが、真皮にある「コラーゲン」や「エラスチン」線維。

加齢でこれがどうなるかというと

  • 線維が減る
  • 質が劣化する
  • 構造がまばらになる(支えきれない)

これが“たるみ”“ほうれい線”“深いシワ”の正体です。

《イメージ:真皮内のコラーゲン線維の変化》


4. バリア機能が落ちる=乾燥・刺激・炎症に弱くなる

肌の一番外側「角層」は、年齢とともにセラミド・NMF(天然保湿因子)が減少し、水分保持力が急落。

  • 外的刺激に弱くなる
  • 湿疹・かゆみ・赤みが出やすくなる
  • 傷や炎症の治りも遅くなる

年代別 男の肌リスク

年代別 男の肌リスクと必要なケア

年代主なリスクや悩み必要なケア・対策
40代・ターンオーバー遅延(くすみ・ゴワつき)
・皮脂と水分バランス悪化(インナードライ)
・初期のハリ低下、シワ
① 泡洗顔で余分な皮脂・角質リセット
② 高保湿化粧水+乳液・クリームでバリア強化
③ 美容液(ビタミンC、ナイアシンアミド等)で予防的ケア
④ 紫外線対策(毎日)
50代・さらにターンオーバー遅延(透明感消失)
・コラーゲン・エラスチン減少、シワ・たるみ進行
・乾燥・かゆみ・炎症増加
① セラミド・ヒアルロン酸配合の高保湿
② レチノールやペプチド系美容液
③ 顔〜首・耳裏までケア④ バリア機能UP重視、刺激は極力カット
60代〜・角質肥厚+菲薄化(ごわごわ&薄く弱い肌)
・深いシワ・たるみ、傷の治りにくさ
・乾燥・湿疹・皮膚感染症リスクUP
① 敏感肌用の低刺激・高保湿スキンケア
② とろみクリーム・オイルで油分も補給
③ 紫外線対策は年中必須④ トラブルは皮膚科相談も視野に

加齢とターンオーバーの劇的な変化

40代

  • ターンオーバー周期は35〜45日。古い角質がはがれにくく、くすみやゴワつき、シミの定着が進みやすい。
  • 皮脂分泌は高めだが水分量はじわじわ減少。インナードライ化も加速。

50代

  • ターンオーバーは45〜55日、さらに遅延。
  • 古い角質が“積み重なって”透明感が失われる。
  • バリア機能の低下により、外部刺激に対する炎症やかぶれ・かゆみが増加。
  • 皮脂分泌も徐々に減少(特に頬や首)。一方、Tゾーンはまだ脂っぽいアンバランスも。

60代以降

  • ターンオーバー周期は60日を超える人も。
  • 角質肥厚(ごわごわ)+極度の乾燥+菲薄化(肌が薄く弱くなる)。
  • 小ジワ・深いシワ・たるみが加速。
  • 肌だけでなく、「傷が治りにくい」「打撲のあざが残る」など皮膚の再生力そのものが低下

真皮層・コラーゲンの減少と「たるみ」の進行

  • 40代から「真皮のコラーゲン線維」が減り始める。
  • 50代以降はコラーゲン・エラスチン線維の「量」も「質」も低下。断裂・変性が目立つ。
  • その結果、フェイスラインのたるみ/ほうれい線/目元・口元のシワが急速に目立つように。

コラーゲン産生を刺激する「レチノール」や「ナイアシンアミド」などの成分は、年齢に応じて早めに取り入れるのがカギ。


3. バリア機能と外部リスクの高まり

  • 皮膚の「角層細胞」「セラミド・NMF(天然保湿因子)」が減少し、水分保持力が急降下
  • 花粉・ハウスダスト・排気ガス・紫外線による炎症・湿疹・かゆみのリスク大。
  • 「アトピー・乾癬」など慢性皮膚疾患の発症リスクもわずかに上昇。

4. 皮脂・汗腺機能の低下とニオイ・感染症リスク

  • 50代以降は皮脂腺・汗腺の働きも弱まり、「乾燥」「皮脂欠乏性湿疹」「かゆみ」が増える。
  • 汗をかきにくくなり体温調節が苦手になることで、「熱中症」「皮膚感染症(とびひ・白癬)」のリスク増加。
  • 加齢臭や皮脂の酸化による「独特のニオイ」も強くなる傾向(特に耳の後ろ・首)。

5. 傷・炎症・日焼け後の「治りの遅さ」

  • 60代以降はちょっとした擦り傷や炎症も治りにくい(細胞の再生速度が低下)。
  • 日焼けが「シミ」や「慢性的な赤み」として残りやすい
  • 放置すると、皮膚がんや慢性炎症に進行することも(特に日焼け歴の長い方は要注意)。

6. ライフスタイルの影響が「肌にダイレクト」に

  • 喫煙・飲酒・糖質過多は、コラーゲン・エラスチンの分解を促進。
  • 睡眠不足・運動不足は「ターンオーバー遅延」&「ホルモンバランス悪化」に直結。
  • 腸内環境や栄養不足も、肌荒れ・炎症の大きな要因。

7. 男性特有の悩みも顕在化

  • 50代以降は「ひげ剃り負け・乾燥性湿疹・シェーバーの刺激」への耐性が低下。
  • 「薄毛・頭皮トラブル」も顔の皮膚と同様に加齢で悪化。

◆ まとめ:50代・60代は“肌の守り”と“攻め”の両立を

  • 保湿・バリア機能強化はマスト(セラミド・ヒアルロン酸・バリア系保湿剤を積極的に)
  • 紫外線対策は「一年中」必須。日焼け止めは毎日
  • レチノールやナイアシンアミドなど、コラーゲン産生サポート成分を「早めに」取り入れる
  • 生活習慣(睡眠・栄養・運動)も「スキンケアの一部」として意識

年代別セルフチェック&アドバイス

◆ 40代向け「あなたの肌は大丈夫?」セルフチェック

  • □ 朝起きると顔がテカテカする
  • □ でも午後になると頬がカサつく
  • □ 最近、肌がゴワゴワ・ザラザラしてきた
  • □ 髭剃り後のヒリヒリや赤みが増えた
  • □ 昔よりシミやくすみが増えた気がする

→ 2つ以上当てはまった人は、「インナードライ」やターンオーバー遅れに要注意!
 → 洗顔の見直し&高保湿ケアがカギ。


◆ 50代向け「年齢サイン見逃してませんか?」チェック

  • □ 額やほほに深いシワが目立つ
  • □ ほうれい線が急に濃くなった
  • □ 以前より肌がかゆい、乾燥しやすい
  • □ 赤みや湿疹が出やすくなった
  • □ 首や耳の後ろに「大人のニオイ」を感じることが増えた

→ 2つ以上でエイジングサイン加速中。
 → 保湿とバリアケアの強化、エイジング美容液も検討。


◆ 60代〜向け「肌トラブル予備軍」セルフチェック

  • □ ちょっとの刺激で赤くなったりかぶれる
  • □ 乾燥してポロポロ皮がむける
  • □ シワが深くなり、顔全体がたるんできた
  • □ 軽いケガ・日焼けが治りにくい
  • □ 保湿してもすぐにカサつく

→ 1つでも該当なら、すでにバリア機能低下が進行中!
 → 低刺激・高保湿のアイテムへ切り替え&皮膚科相談も検討を。

  • 本記事の内容は「皮膚科学の専門書や大手化粧品会社の情報」をもとに、筆者の調査をまとめた“セルフケアの目安”です。
  • 専門的な診断や治療が必要な場合は、必ず皮膚科医などにご相談ください。

肌年齢をキープするための“3本柱”

  1. 洗顔でリセット(やりすぎNG・泡でやさしく)
  2. 水分補給&バリア補修(化粧水+セラミド系乳液)
  3. 攻めの美容液(ビタミンC・ナイアシンアミド・レチノールなど)

最後に:肌年齢は、生活年齢より「努力で逆転」できる

見た目年齢=肌年齢。
でもそれは“生まれつき”ではなく“毎日の積み重ね”で変えられます。

40代から始めても、遅くはありません。
いまの肌に気づき、ちょっとずつでもケアを続けることで、肌年齢の加速老化は止められると私は信じてます。

▶ 次回:【第3回】正しい洗顔、できてますか?肌が変わる“洗い方”の基本とコツ(近日公開)