はじめに

社会人やビジネスの現場でよく耳にする「KPI」と「KGI」。

なんとなく意味は知っていても、いざ自分の業務に落とし込むとなると「どう設定すればいいの?」と悩む人は多いはずです。

この記事では、歴史的背景から実務での使い方、業界ごとの具体例、失敗例と改善策まで網羅し、実際にすぐ役立てられる形でまとめます。


KPIとKGIとは?その背景

KGI(Key Goal Indicator)

  • 「最終的な成果指標」
  • 例:年間売上1億円達成、ユーザー数10万人突破

KPI(Key Performance Indicator)

  • 「KGIを達成するための中間指標」
  • 例:月間商談数100件、成約率20%

理論的な背景

KPI/KGIの概念はマネジメントの大家ドラッカーや、1990年代の「バランススコアカード」に由来します。

つまり「成果(ゴール)と、それを生む行動プロセスを分けて管理する」という思想から来ているのです。


なぜ必要なのか?

  • KGIだけでは行動に落ちない 例:売上1億円を目指せ!→「具体的に何をすれば?」と現場が混乱
  • KPIは日々の行動を数値化する 例:アポ件数・提案数など具体行動が見える化
  • 改善点を発見できる 売上未達なら「商談数が足りないのか、成約率が低いのか」すぐ特定できる

実務でのストーリー:営業部の例

ある営業チームでは「売上1億円(KGI)」だけを追っていました。

結果、短期的な値引き提案ばかりで利益率が悪化。

そこでKPIとして

  • 新規商談数
  • クロージング率
  • 平均単価

を設定したところ、各担当が「どこを改善すべきか」が明確に。

翌年には売上だけでなく利益率も改善しました。


どこで使われるのか?業界別例

  • 営業部門:商談数・成約率・客単価
  • マーケティング:サイト訪問数・CV率・資料DL数
  • 人事:離職率・採用数・研修受講率
  • EC/スキンケア事業:購入者数・リピート率・平均購入額

👉 「どの業界でもKGI=ゴール、KPI=そのための道筋」という構造は共通です。


設定方法(ステップバイステップ)

  1. KGIを明確にする 例:年商1億円、月間リード1000件
  2. KPIを分解する 売上=商談数 × 成約率 × 単価
  3. 役割ごとに落とし込む 営業マネ=チーム全体の数字/担当者=個人のアポ件数
  4. シートで見える化 Googleスプレッドシートで月ごとに「目標・実績・達成率」を管理

KPI活用サイクル(PDCA)

KPIは設定して終わりではありません。

  • 月次レビューで確認
  • 四半期ごとに妥当性を見直し
  • 改善策を入れて次のサイクルへ

注意点とNG例

よくある失敗

  • 数字だけ追う → 顧客満足度低下
  • KPIが多すぎる → 形骸化
  • 現場と乖離 → 実行不能
  • 期限なし → ダラダラ続く
❌ NGパターン問題点・リスク
数字だけ追いかける顧客満足度や長期的な信頼を無視してしまう
指標が多すぎる管理が複雑になり形骸化する
現場と乖離した目標実行不可能でモチベーション低下につながる
期限を決めない取り組みがダラダラと長引いてしまう

改善のヒント

  • KPIは3〜5個に絞る
  • 達成率を色で示して一目で分かるようにする
  • 現場メンバーを巻き込みながら設定する
  • 毎週・毎月のリズムで必ずレビューする

まとめ

KGIはゴール、KPIはその道しるべ。

理論的背景から実務の活用まで理解すれば、目標達成は「偶然」ではなく「必然」に変わります。